それじゃ今回は、任意整理と保険の関係について詳しく見ていこうか!
任意整理しても保険の新規契約はできる
任意整理をすると、「保険に入れなくなる」「加入中の保険は解約させられる」などと、任意整理による保険への影響を気にする人も多いことかと思います。
しかし、実際のところは任意整理をしても新規の保険契約はできますし、加入中の保険を解約する必要もないのです。
確かに、任意整理をすれば信用情報に事故情報が記録されてしまい、俗に言うブラックリトに載った状態となってしまいます。
その結果、ローンが組めない、クレジットカードが作れないといった様々な影響が出てきますが、保険に関してはブラックリトに載ったことによる影響は全くないのです。
それではまず、任意整理と保険の加入について詳しく見ていきましょう。
保険の加入審査では信用情報を見られない
任意整理をした人でも保険加入できる理由は、保険加入時の審査と信用情報は全く無関係だからです。
前述の通り、任意整理をしたら信用情報に事故情報が登録されしまい、銀行ローンやカード発行の審査に影響が出てきます。
しかし、信用情報はあくまで個人への貸付の際、その人が問題なく返済していけるかどうかを審査するために参照するものなので、保険加入の際に見られることはないのです。
また、信用情報は銀行や貸金業者などの信用情報機関に加盟している金融機関だけが参照できるものなので、通常保険会社が信用情報を確認することはできません。
稀に保険会社でもCICなどの信用情報機関に加盟していることがありますが、それは保険以外の金融商品を扱っているためです。
住宅ローンやクレジットカードといった金融商品を扱うとなれば、その審査の際に信用情報を確認することになりますので、保険会社はそれを目的として加盟しているのであって、保険の審査目的で加入しているわけではないのです。
保険料の分割払いも可能
任意整理をした人でも、保険料を分割で支払うことができます。
任意整理をするとローンが組めなくなるのと同様、保険料の分割払いもできなくなると勘違いされる人もいますが、保険料の支払いはローンやクレジットとは全くの別物なので、分割で支払うことができます。
保険料の支払い方法には、大きく分けて「年払い」「半年払い」「月払い」の3つがあります。
保険料が一番安く抑えられるのは一括で支払う「年払い」になりますが、借金問題を抱えている人にとって一括払いは負担が大きいことでしょう。
たとえブラックリストに載っていたとしても、1年分の保険料を毎月分割で支払っていく「月払い」も選択できますので、決して保険加入を悲観的に考える必要はありません。
保険料の滞納には注意が必要
保険料を分割払いにできても、支払いを一定期間滞納してしまうと「失効」といって保険の効力がなくなってしまうので注意が必要です。
またそれだけではなく、同じ保険会社の他の保険には加入できなくなりますし、支払い方法をクレジットカードにしている場合、口座引き落としができない状態が3ヶ月以上続くと信用情報に事故情報が登録されてしまいます。つまりブラックリストに載ってしまうのです。
ですので、保険加入の際は支払いに余裕を持ったプランを選択し、くれぐれも保険料の滞納には気をつけましょう。
加入中の保険は解約しなくてよい
ここまでは任意整理後の保険加入と保険料の支払い方法などについて見てきましたが、続いて気になるのが現在加入中の保険への影響ではないでしょうか。
結論から言いますと、任意整理をしても加入中の保険には全く影響がないので、解約せずにそのまま入り続けることができます。
自己破産の場合だと保険解約をしなければいけないケースもありますが、任意整理についてはそのようなことはありません。
任意整理は財産の処分を求められない
前述の通り、任意整理をしても保険を強制的に解約させられてしまうことはありませんが、ここの部分を誤解している人も多いようです。
誤解する理由として、保険の解約返戻金の存在があるのではないでしょうか。
解約返戻金とは、保険の加入期間や支払った保険料に基づいて保険会社から払い戻されるお金のことで、一般的には生命保険や学資保険など加入期間の長い商品についてきます。
この解約返戻金のある保険に長期間加入している場合、解約をすればまとまったお金が払い戻されることになるので、任意整理をしたら保険を解約して、その解約返戻金を借金返済に充てる必要があると勘違いされる人が多いのではないでしょうか。
しかし、任意整理は裁判所に申し立てる必要のないあくまで貸金業者との私的交渉に過ぎないので、法的な強制力はありません。
よって裁判所から強制的に財産の処分を命じられることもなければ、解約返戻金を返済に充てるよう指示されることもないのです。
解約の可能性があるのは自己破産だけ
債務整理の種類によっては、手続き後に保険解約を迫られるものがあります。それが自己破産です。
自己破産の場合、基本的に所有する全財産を手放さなくてはいけないのですが、保険を解約して得られる解約返戻金も財産の一部とみなされてしまいます。
そのため、解約返戻金(正確には20万円以上)が発生する積立型の保険に加入している場合は、裁判所から強制的に解約を命じられる可能性もあるのです。
保険会社からお金の借り入れもできる
生命保険などには契約者貸付制度といって、それまでに積み立ててきた解約返戻金の一部を保険会社から借り入れできる制度があります。
急遽まとまったお金が必要となった場合、解約返戻金のある保険を解約すればお金を手にすることもできますが、当然その代わりに保障もなくなってしまいます。
そのようなとき、この契約者貸付であれば保険を解約せずにお金の借り入れができますし、この制度自体、任意整理をしてブラックリストに載っていたとしても利用することができるのです。
この制度の場合、あくまでこれまでに積み立ててきたお金を借りるだけなので、貸金業者などからの借り入れとは全く異なります。
そのため、借り入れの際に個人の信用情報を確認されることもないので、保険金の積立さえしっかりとしていればブラックリスト中の人でも利用できるのです。
よくある質問
任意整理と保険に関するよくある質問をまとめましたので参考にしてください。
任意整理をしても、自動車保険(任意保険)料を分割で支払うことはできるの?
任意整理をした後でも自動車保険料の分割払いはできます。
一般的に自動車保険料の払い込み方法には、「一括払い」と「月払い」の2種類があり、保険料が格安なネット完結型等でない限り、2つのうちいずれかを契約者が自由に選択できます。
もし任意整理をした人が分割の「月払い」を選択したとしても、自分への保障に対してお金を支払っていくのであり、借金を分割返済していくわけではないので、加入の際に信用情報が影響することはありません。
任意整理をしたら公的保険に影響はあるの?
任意整理をしても公的保険への影響はありません。
保険の種類にも、国や自治体が運営する公的保険、民間企業が運営する個人保険、企業向けの企業保険などがありますが、前述の通り、保険加入の際には信用情報を確認されないので、どの保険であっても加入を制限されることはありません。
任意整理と保険についてのまとめ
今回は任意整理をすると保険に加入できなくなるのか?加入中の保険は解約させられるのか?といった点について少し詳しく見てきました。
本記事のポイント
- 任意整理をしても新規保険契約はできる
- 任意整理をしても加入中の保険は解約しなくてよい
- 保険会社からお金を借りることもできる
借金問題に悩まれている人でも、万が一に備えて何かしらの保険には入っておきたいものですよね。
いつ病気や怪我で収入が途絶えてしまうかも分かりませんし、ひょっとしたら一家の大黒柱がご家族を遺して亡くなるようなこともあるかもしれません。
そのような時に保険に入っていれば何かと心強いものですが、任意整理をしたら保険を解約しなければいけない、新たな保険加入ができないと心配されている人もいることでしょう。
しかし、実際のところ任意整理をしても保険への影響は一切ないので、任意整理に縛られることなく、それぞれのライフプランやご予算に合わせた自由な保険選びができるのです。
ただし、保険料の滞納が続くと、場合によってはブラックリストに載ることもあるので、その点はくれぐれも注意をしてくださいね。
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また、弁護士を代理人として任意整理をするとなれば、貸金業者からの督促は即日止まりますし、弁護士が貸金業者との窓口になってくれるので、貸金業者と直接連絡をとる必要もなくなります。
もし任意整理による借金減額が難しかったとしても、任意整理以外の方法も考慮しながら、相談者それぞれに合った最良の解決方法を検討してくれるはずです。
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