「借金の返済が限界…もう自己破産するしかない」
借金でどうにもならない時に考えるのが自己破産ですが、自己破産をすると色々な制限を受けてしまうというイメージをお持ちの方も少なくありません。
そこでこの記事では、自己破産のメリットやデメリット、破産後の生活への影響などを徹底解説していきたいと思います。
また、自己破産をすべきかどうかの判断基準、手続きの流れなどについても解説いたしますので、ぜひとも最後までお読みください。
自己破産のメリット・デメリット
自己破産とは、裁判所を介して今あるすべての借金の支払義務を免除してもらう手続きのことです。
自己破産の申立てをして裁判所から免責許可を得られれば、どれだけの借金があっても返済義務からは解放され、実質的に借金をゼロにすることができます。
しかし、自己破産をすると「今後の人生で色々なことを制限されてしまう…」という不安な思いから、なかなか自己破産に踏み出せないでいる方も少なくありません。
自己破産というと、そのデメリットが一人歩きをして「自己破産すると戸籍に傷がつく」など、都市伝説のような話まで出回っています。
自己破産を検討する際は、自己破産のメリット、デメリットを正しく理解しておくことが大切です。
自己破産のメリット
まずは自己破産のメリットから見ていきましょう。自己破産のメリットは以下の3つです。
- 自己破産のメリット
-
- 借金をゼロにできる
- ある程度の財産は手元に残せる
- 収入がなくても手続きできる
借金をゼロにできる
自己破産をする最大のメリットは免責を受けることができる点です。自己破産における免責とは、借金返済の義務が免除されることを意味します。
細かく言うと借金そのものが消滅するわけではなく、貸金業者などの債権者が給与の差し押さえや取立てができなくなるということですが、それによって実質的に借金をゼロにすることができます。
ある程度の財産は手元に残せる
「自己破産をするとすべての財産を没収されてしまう」と思われる方もいるでしょうが、実際にそのようなことはなく、生活していくうえで必要なある程度の財産は手元に残すことができます。
家、土地、車などのお金に換金できそうなものの多くは没収されてしまいますが、衣食住に必要なもの、または99万円までの現金は、生活に必要な最低限の財産として手元に残すことができます。
また、自己破産後に取得したお金や財産については、没収されてしまうことは一切ありません。
収入がなくても手続きできる
自己破産は、収入のない無職や生活保護受給者であっても手続きが可能です。
任意整理や個人再生は手続き後も一定の返済は続けていくので、ある程度の安定した収入が必要になりますが、自己破産は借金そのものがなくなるので、収入がなくても手続きできます。
自己破産のデメリット
自己破産には借金がゼロになるという大きなメリットがありますが、反面、そのデメリットも決して少なくありません。
続いては自己破産におけるデメリットについて見ていきましょう。
- 自己破産のデメリット
-
- 財産を没収される
- 保証人に迷惑がかかる
- クレジットカードやローンが利用できなくなる
- 手続中に制限される事項がある
財産を没収される
自己破産の手続きは、まずは自分の財産を処分して返済に充て、それでも返済ができない分は裁判所が帳消しにしてくれるというものです。
つまり、お金に換えられそうな財産のほとんどを失うことになるのです。この点が自己破産の大きなデメリットと言えます。
裁判所によって自己破産で没収される財産の判断は異なりますが、一般的には以下のようなものが挙げられます。
自己破産で没収される財産
- 不動産(自宅、土地など)
- 20万を超える財産(預貯金、車、貴金属、証券など)
- 99万円を超える現金
- 見込み額が160万円を超える退職金
- 20万円を超える保険解約返戻金
保証人に迷惑がかかる
自己破産をすれば手続きをした本人の返済義務はなくなりますが、借金の保証人(連帯保証人も含む)の返済義務まではなくなりません。
そのため、債務者本人の代わりに保証人が返済を迫られることになり、この場合、原則として一括返済請求をされてしまいます。
保証人にも返済能力がなければ、保証人も自己破産を余儀なくされることになり、大きな迷惑をかけてしまう可能性があります。
クレジットカードやローンが利用できなくなる
自己破産をすると、個人信用情報機関にそのことが記録され、いわゆるブラックリストに載った状態になります。
ブラックリストから削除されるまでには約5~10年はかかるため、その間はクレジットカードを利用したり、新たな借入れやローンを組むことができなくなってしまいます。
手続中に制限される事項がある
自己破産の手続きが進行している間は、以下のことが制限されてしまいます。
一定の職業に就けない
破産手続中は、一定の職業(資格)に就くことができなくなります。弁護士や公認会計士など、基本的に「士業」の多くが対象となります。また、警備員や生命保険募集人、損害保険代理店など、他人のお金を扱う重要な職業も含まれます。
ただし、制限を受けるのはあくまで手続期間中だけであって、一生その職に就けなかったり、資格を剥奪されてしまうといったことはありません。
郵便物が転送されてしまう
後述しますが、自己破産には「管財事件」と「同時廃止」の2つの手続きがあり、管財事件となった場合、債務者の借金や財産の状況などを調査する破産管財人が選出されます。
管財事件が進行している期間については、破産者宛の郵便物が破産管財人に転送されてチェックを受けることになります。
「隠し財産はないか?まだ他に借金をしていないか?」といったことを確認するための措置になりますが、年賀状など自己破産の手続きに不要な郵便物は受け取ることができるケースもあります。
居住地を離れることができない
破産手続中、破産者は居住地を自由に離れることができません。
ただし、裁判所の許可があれば引っ越しや長期間の旅行も可能ですので、裁判所の許可を得られるよう、早い段階から弁護士等に相談し、計画的に進めることが大切です。
自己破産後の生活でよくある質問
ここまで見てきたように、自己破産には少なからずデメリットが存在します。そのデメリットが世間に悪いイメージを植え付け、「自己破産をするとまともな生活ができなくなる」といった誤解を受けるようになってしまいました。
自己破産をすると会社や学校などに知られてしまうの?
会社や学校などに知られてしまう可能性はほとんどありません。
裁判所から会社や学校に通知が届くこといったことはありませんし、自己破産をすると官報に氏名が掲載されますが、毎日官報をチェックしている人などまずいないので、近所などにバレる心配もありません。
官報については、以下の記事の「全銀恊は官報情報を保持している」内で詳しく解説しています。
家族への影響は?家族に内緒で自己破産できる?
「財産の没収」によって家族に影響を与え、内緒にしておくことも難しくなるでしょう。
まず、自己破産で信用情報に傷がつくのは破産者本人だけですので、配偶者や子供の信用情報への影響はありません。
よって、夫が自己破産をしたとしても、妻名義であればクレジットやローンを利用することはできます。
また、自己破産をしたとしても、借金の返済義務が家族に移ることはありません。しかし、家族が連帯保証人になっている場合はその家族が支払っていく必要があります。
また、住宅や車などの財産が没収されるとなれば家族への影響は避けられないでしょうし、家族に内緒にしておくことは困難になるでしょう。
自動車は手放さないといけないの?
ローンの支払いが残っている車は、所有権がまだローン会社になっていることがほとんどなので、ローン会社に引き上げられてしまうでしょう。
しかし、ローンが終っており、売りに出してもほとんど値がつかないような車であれば手元に残すことができます。
アパートなど賃貸物件には住めなくなるの?
自己破産をしても賃貸物件に住むことはできます。
ただし、保証会社を介して入居する物件や家賃がクレジットカード払いの物件は注意が必要です。いずれもブラックリストに載っている人は入居審査に落ちてしまうことがあります。
ブラックリストと賃貸物件の関係については、以下の記事で詳しく解説しています。
一生ローンを組むことはできないの?
ブラックリスト登録から削除されれば、ローンを組むことはできます。
破産者の情報が各信用情報機関に登録される期間は、CICとJICCが5年、全銀協が10年です。この期間を経過すればクレジットカードの発行やローンを組むことが可能になります。
各信用情報機関の詳細については以下の記事をご覧ください。
生命保険や学資保険は解約しないといけないの?
保険の解約返戻金の額によります。
生命保険などを解約すると、これまでに支払ったお金の一部が解約返戻金として戻ってくることがあります。
その解約返戻金が一定額(原則20万円)を超える場合は、解約をして返済に宛てるよう裁判所から指示されることがあります。
戸籍に自己破産の履歴が残ってしまうの?
自己破産をしても、戸籍や住民票などにその事が記載されることはありません。
前述した通り、官報という国が発行している機関紙には氏名・住所が記載されますが、それ以外に自己破産の事実が載ってしまうことはありません。
携帯電話を持てなくなるの?
自己破産をしても、携帯電話を持ち続けることも新規で契約することもできます。
ただし、携帯の利用料金を滞納していたり、携帯本体をローンで購入してまだ支払いが残っている場合などは、強制的に解約されてしまうことがあります。
なぜならば、滞納中の利用料金や残っているローンも債務のひとつと見なされてしまい、自己破産手続きの対象に含まれてしまうためです。
また、携帯電話を新規で持つ場合は、ブラックリストに載っている間はローンを組むことができないため、一括払いのみでの購入になります。
海外旅行はできなくなるの?
自己破産をしても海外旅行には行けます。
ブラックリストに載ってしまっても、パスポートの発行・渡航・出入国審査などに影響はありません。
ただし、前述の通り、破産手続中は裁判所の許可がなければ海外旅行に行くことは難しいでしょう。
選挙権を失ってしまうの?
自己破産をしても選挙権や被選挙権はなくなりません。
選挙権は20歳以上の国民に平等に与えられた権利ですので、それが自己破産によって剥奪されることはありませんので、選挙の投票には行けますし、立候補をして議員を目指すことも可能です。
自己破産の判断基準
続いては、自己破産をするべきかどうかの判断基準について見ていきましょう。
自己破産はあくまで債務整理の最終手段という位置づけです。以下の基準とご自身の状況を照らし合わせ、他の方法でも解決できそうな人はそちらを検討すると良いでしょう。
自己破産以外を検討した方が良い人
まずは自己破産以外を検討した方が良い人の特徴をご説明します。いずれかに該当するような人は、自己破産よりデメリットが少ない他の解決方法を検討しましょう。
自己破産以外での解決方法については、借金を減額する4つの方法をご覧ください。
- 自己破産するべきでない人
-
- 住宅や車などの財産を所有している
- 5~7年くらいの分割払いであれば返済していける
- 過払い金が発生している可能性がある
住宅や車などの財産を所有している
前述した通り、自己破産をすると住宅や車などの高額な財産は没収されてしまいます。
賃貸物件にお住まいであったり、車を持っていたとしても市場価値がほとんどなければそこまで影響はないでしょうが、没収の対象になる住宅や高額な車をお待ちの場合は、自己破産以外の解決方法を検討した方が良いと言えます。
5~7年くらいの分割払いであれば返済していける
通常、自己破産をする人は、返済しきれないほどの高額な借金を抱えていたり、病気などで返済不能に陥ってしまったような方達です。
今後もある程度の継続した収入が見込まれ、返済期間を5~7年くらいにまで延長すれば返済していけなそうな人は、任意整理や個人再生を検討してみましょう。
通常、任意整理も個人再生も借金の減額後は3~5年の分割払いで返済をしていきますが、債権者との交渉次第では7年以上の分割払いに応じてくれるケースもあります。
過払い金が発生している可能性がある
自己破産を検討するほど借金が膨れ上がっている人は、借入期間が長期に渡っている人も少なくありません。
もし2010年以前から借入れをしている人は、グレーゾーン金利によって「過払い金」が発生している可能性があります。
過払い金とは違法に多く払わされてしまった金利のことで、返還請求によって取り戻すことができます。
数百万もの過払い金が返還されるケースも珍しくなく、それだけ返ってくれば自己破産を回避できるかもしれません。
自己破産を検討しても良い人
上記の項目に該当せず、以下の項目に該当するような人は自己破産を検討しても良いでしょう。
- 自己破産を検討しても良い人
-
- 借金が高額で返済の目途が立たない
- 手放す財産を所有していない
借金が高額で返済の目途が立たない
個人再生であっても借金総額の上限は5,000万円までですが、自己破産には上限がありません。借金が1億円でも10億円でも手続きは可能です。
借金が高額になり過ぎて全く返済の目途が立たない人は、自己破産によって借金をゼロにしてもらうことが現実的な解決方法と言えるでしょう。
手放す財産を所有していない
自己破産による最も大きなデメリットは財産を失ってしまうことですが、元々手放す財産を所有していない人は、自己破産をしても今後の生活に大きな影響を受けることはないでしょう。
自己破産が認められる条件
上記の「自己破産を検討しても良い人」に該当したとしても、一定の条件をクリアしていなければ自己破産をすることはできません。
裁判所に自己破産を認めてもらうための条件は以下の二つとなっています。
- 裁判所に自己破産が認められる条件
-
- 支払い不能に陥っている
- 免責不許可事由に該当しない
支払い不能に陥っている
まず前提条件として、自己破産を認めてもらうには「支払い不能」の状態に陥っていなければなりません。支払い不能とは、簡単に言えば「借金を返済していくだけの収入や財産がないこと」です。
今後、働いて返済していける見込みがあれば返済不能とは認められませんし、収入がなくても、返済できるだけの財産を所有している場合も認められないでしょう。
ただ単に「返済していくのが辛い」「大きな借金を背負ってしまった」などといった理由だけでは、必ずしも自己破産が認められるとは限りません。借りたお金は返すというのが最低限のルールだからです。
どれくらいの借金で支払い不能とみなされるのか?
支払い不能かの判断は、その人の収入や借金の状況によって大きく異なりますので、具体的に「○○円以上借金があれば支払い不能になる」といった基準はありません。
年収の1/3以上の借金で自己破産できる、といった話も耳にしますが、これもケースバイケースのため一概には言えません。
免責不許可事由に該当しない
破産法には免責を得られない場合の規定があり、これらの事情を「免責不許可事由」と言います。
支払い不能状態に当てはまって自己破産の手続きに入ったとしても、免責不許可事由に該当してしまうと借金の返済義務をなくすことができません。
問題になることの多い免責不許可事由は以下の通りです。
免責不許可事由
- 借金の原因がギャンブルや浪費
- 転売行為(ローンで購入した物の現金化など)
- 特定の債権者にのみ返済
- 破産管財人に協力しない
- 財産を隠した
- 債権者を明かさない
- 裁判所の調査に対して拒否や虚偽の説明をした
- 過去に自己破産をしてから7年未満
免責不許可事由でも免責されることもある
免責不許可事由に該当する心当たりがあっても、隠したりせずに正直に事情を話すようにしましょう。
免責不許可事由に該当する場合であっても、裁判所は諸事情を最大限考慮したうえで免責許可決定を出すことができるのです。
ギャンブルや浪費があったとしても、嘘偽りなく自己破産手続きに協力し、今後同様の理由で借金をしないという意思表示をすれば、十分に免責を得られる可能性があるのです。
自己破産の種類と手続きの流れ
ここまでは自己破産のメリット・デメリットなどについて見てきましたが、実際に自己破産をするとなった場合、どのような流れで手続きが進んで行くのでしょうか。
ここからは自己破産の手続の種類、全体的な流れなどについて解説していきます。
自己破産には2つの手続きがある
自己破産には「同時廃止」と「管財事件」の2つの手続き方法があります。
どちらの手続きになるかは破産者の資産状況によって異なりますが、20万円以上の資産があるかどうかが判断基準になります。
20万円以上の資産を持たない場合は同時廃止となり、自己破産者の多くはこちらの手続きになると言われています。
同時廃止とは
自己破産では「債権者のために財産を清算する破産手続」と「債務者のために借金をなくす免責手続」が行われます。
しかし、清算するだけの財産を持たない場合は、破産手続きの開始決定と同時に破産手続を終らせることができ、これを同時廃止と言います。
同時廃止では財産処分の必要がないため手続きも簡単です。必要書類を作成し、免責不許可などに該当するものがなければ、弁護士に依頼してから早ければ3ヶ月ほどで手続きが終了します。
管財事件とは
一方、破産者がある程度の財産を保有する場合は、破産手続きの開始決定後、裁判所から選任された破産管財人によって財産の調査・処分が行われることになり、こちらのケースを管財事件と言います。
破産管財人の報酬は破産者が負担することになるため、同時廃止に比べ手続き費用が多額になり、手続き期間も半年~1年ほとど長期間になるケースもあります。
破産申立てから借金ゼロまでの流れ
続いては、実際に自己破産をする場合、どのような流れで手続きが進んで行くのかを見ていきましょう。
STEP1
弁護士への相談・依頼
自己破産への第一歩は、弁護士などの専門家に手続きを依頼することです。破産者自らが手続きをすることもできますが、素人が手続きをするのは大変難しく、破産者のほとんどが専門家へ依頼しています。
もし、自分自身で手続きを行うにしても、「管財事件と同時廃止のどちらで申立てをすべきなのか」「どのような点が問題になりそうなのか」といった点を無料でアドバイスしてくれますので、専門家の意見は聞いておくべきです。
STEP2
受任通知で取立てを止める
弁護士は債務者から自己破産の依頼を受けると、貸金業者や個人などの債権者に対して受任通知という文書を送付します。
受任通知とは、債権者に対し、弁護士が代理人なって自己破産を手続きを行う旨を伝えるためのもので、この通知を受け取った債権者は借金の取立てが一切できなくなります。
STEP3
必要書類の準備・作成
自己破産の申立てには、破産申立書をはじめ、陳述書・債権者一覧表・財産目録など、数多くの書類を用意する必要があります。
これらのほとんどの書類は弁護士が用意してくれますので、破産者本人は指示された項目に記入をするだけになります。
STEP4
破産手続きの申立て
STEP3で用意した書類を裁判所に提出し、「破産をしたい」と申立てをします。
この際、前述した破産手続(債権者のために財産を清算する手続き)と免責手続(債務者のために債務をなくす手続き)の二つを申立てます。
STEP5
破産手続開始決定
破産の申立てに対して、裁判所は破産手続を開始する決定をします。
開始するか否かの判断は、裁判官が破産申立書の内容を確認のうえ、本人または申立代理人から事情を聴取するなどして、破産に至った背景を把握したうえで行われます。
また、破産手続の開始決定に併せて、「同時廃止」と「管財事件」のどちらになるのかも判断されます。
STEP6
免責審尋
裁判所は、借金の返済義務を免除する「免責」という決定を行うために、債権者本人と面談をします。これを「免責審尋」と言います。
代理人による申立てであっても、債務者本人が裁判所に呼ばれ、裁判官から直接質問を受けるケースが多いです
STEP7
免責が許可され借金ゼロに
免責審尋や債権者の意見を踏まえたうえで、裁判所は免責を許可するか否かを決定します。
免責許可が決定されれば、すべての借金から開放されることになります。財産隠しや嘘の証言などがあると免責が許可されないこともありますが、破産者のほとんどが免責を許可されています。
自己破産と他の債務整理の違い
冒頭でもお伝えした通り、自己破産は他の債務整理の方法では解決が難しい人向けの最終手段になります。
自己破産よりもデメリットが少ない他の方法で解決できるに越したことはありませんので、自己破産以外の解決方法についても触れておきます。
任意整理
任意整理とは、債権者との直接交渉を通じて、借金の利息や遅延損害金(返済を滞納したことによる賠償金)をカットしてもらい、残った借金を3~5年の長期分割払いにしてもらう手続きです。
自己破産とは違い裁判所を通す必要がないため、手続きも簡単で比較的短期間で解決することができます。
また、家族や会社などに内緒のまま手続きが可能でデメリットも少ないことから、債務整理のなかでも最も利用者が多い手続き方法です。
個人再生
個人再生とは、裁判所を通して借金を1/5程度にまで減らしてもらい、残った借金を原則3年で返済していく手続きのことです。
裁判所を通すことによって法的強制力をもって借金を減らせるので、「任意整理で債権者と和解できなかった」「毎月の返済額を減らすだけでは解決できなかった」という人にもお勧めです。
また、自己破産とは違って、住宅や車などを残したまま手続きをできるケースもあります。
過払い金請求
先ほども触れた通り、過払い金とは債権者に払いすぎたお金のことで、返還請求をすることによって取り戻すことができます。
利息の上限は利息制限法という法律で定められていますが、かつては多くの消費者金融がこの上限を超える利率で利息を取っていました。
利息制限法には罰則規定がなく、出資法という別の法律で定めた年29.2%の金利を超えさえしなければ罰則の対象にならなかったからです。
この利息制限法の上限利率を超える部分を「グレーゾーン金利」といい、グレーゾーン金利によって支払ったお金は本来払う必要のないお金のため、返してもらうことができます。
グレーゾーン金利が撤廃される2010年(平成22年)6月18日以前より借入れをしている人は、過払い金が発生している可能性が大きいと言えます。
「自己破産のメリット・デメリット」まとめ
本記事では、自己破産の手続きについてメリット・デメリットを中心に解説してきました。
自己破産の最大のメリットは、免責を得ることによって「借金をゼロにできる」点です。これは借金に苦しむ多くの人が望むことであって、他の債務整理の手続きでは実現できないことです。
一方、デメリットには他の債務整理と被るものが幾つかあります。
例えば、他の手続きであっても個人信用情報に登録されブラックリストに載りますし、そのことによってクレジットやローンの利用が難しくなります。また、官報には個人再生でも載ってしまいますし、住宅や車を残せないケースもあります。
どの手続きを選択するにしても大なり小なりデメリットはありますので、専門家によく相談したうえで最良の解決方法をアドバイスしてもらうようにしましょう。
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実際に多くの方が弁護士に無料診断をしてもらうことにより、借金問題から解放されています。
そしてほとんどの方が声をそろえて言うのが、「こんなに簡単に解決できるのなら、もっと早く相談しておけば良かった」という事です。
借金問題は悩んでいる間にも利息や延滞金が増え続け、どんどん状況が深刻化していきます。
まずは匿名で自分の状況を診断してもらい、1日も早く解決へ向けた第一歩を踏み出す事をお勧めします。