個人再生

個人再生は住宅ローンに連帯保証人がいてもマイホームを残せるの?

個人再生は住宅ローンに連帯保証人がいてもマイホームを残せるの?
ねぇ先生、個人再生ってさ、マイホームを手放さずに借金を減額できるんでしょ?住宅ローンに連帯保証人がいても問題はないの?
特に問題ないよ。連帯保証人がいてもしっかりとマイホームを残せるし、住宅ローンを返済してさえいれば、連帯保証人に迷惑をかけることもないよ。
そうなんだ、それなら安心ね!それじゃその逆パターンで、連帯保証人が個人再生をする場合はどうなの?ローン返済中の人に影響ってあるの?
その場合は影響が出てしまうだろうね。債権者から連帯保証人の追加や一括返済を求められる可能性が高いね

個人再生は住宅ローンに連帯保証人がいてもマイホームを残せる

個人再生は住宅ローンに連帯保証人がいてもマイホームを残せる

個人再生には、任意整理や自己破産にはない住宅ローン特則(住宅資金特別条項)があります。

住宅ローン特則を利用することにより、債務者はマイホームを手放すことなく、借金を1/5にまで大幅に減額することができます。

他の手続きでは自宅を失ってしまうこともあるので、これは個人再生だけの大きなメリットと言えます。

では、この住宅ローン特則は、住宅ローンに連帯保証人が付いているケースでも利用することができるのでしょうか。

結論を申しますと、住宅ローンに連帯保証人が付いていても利用を制限されることはありません。ただし、住宅ローン特則の利用には少なくとも以下の条件を満たす必要があります。

住宅ローン特則を利用する条件
  • 債務者の住宅であること
  • 債務者が所有する建物であること
  • 債務者の居住用であること
  • 床面積の2分の1以上が居住用であること
  • 住宅資金貸付債権(住宅ローンとしての借入れ)であること
  • 住宅ローン分の抵当権が設定されていること
  • 住宅ローン以外の抵当権が設定されていないこと

 

個人再生が連帯保証人に知られてしまう可能性は低い

住宅ローンに連帯保証人が付いているケースでは、「保証人に迷惑をかけてしまわないか?」「個人再生が保証人にバレないか?」といった点が心配な方もいることでしょう。

まず、住宅ローン特則を利用をしたとしても、連帯保証人に迷惑をかけてしまうことはありません。

民事再生法203条1項には「期限の猶予は他の連帯債務者に対しても効力を有する」と定められており、住宅ローン特則で決定した支払方法や支払期限は、連帯債務者(連帯保証人)に対しても有効になります。

よって、個人再生をした本人が返済の延滞でもしない限り、連帯保証人に支払い請求が行くなどの影響を及ぼすことはありません。

また、個人再生をしたことが連帯保証人に知られてしまう可能性は低いと言えます。

個人再生のことが裁判所から連帯保証人に通知されることはありませんし、住宅ローンの借入れの先の銀行も、従来通りに支払いを続けてさえいれば、連帯保証人に連絡するようなことはないでしょう。

それでも心配な方は、弁護士を通じて「個人再生したことを連帯保証人に連絡しないで欲しい」と銀行側にお願いしておくと安心ですね。

 

住宅ローンの連帯保証人が個人再生をする場合

住宅ローンの連帯保証人が個人再生をする場合

続いては、住宅ローンの連帯保証人が個人再生を申し立てるケースについて見ていきましょう。

 

保証債務を再生計画に含める必要がある

個人再生では、申し立てた本人が返済中の住宅ローンについては再生計画から外すことができます。

一方、住宅ローンの連帯保証人となっている者が個人再生する場合は、保証対象の住宅ローンも「保証債務」として再生計画に含めなければいけません。

保証債務とは、主債務者(ローン返済者)が返済できなくなってしまった場合に保証人が支払わなくてはならない債権(借金)のことです。

主債務者がしっかりと返済を続けている限り、保証人に支払い義務が生じることはありませんが、法律上、保証債務は保証人が持つ借金扱いとなり、個人再生の再生計画に含める必要があるのです。

最低弁済額が上がってしまう

再生計画に保証債務を含めることによって、「最低弁済額」が上がってしまいます。

最低弁済額とは、個人再生において最低限返済しなければならない金額のことで、その金額は借金総額によって以下の通りとなっています。

個人再生の最低弁済額

借金総額 最低弁済額
借金総額が100万円未満 借金全額
借金総額が100万円以上500万円未満 100万円
借金総額が500万円以上1,500万円未満 5分の1
借金総額が1,500万円以上3,000万円未満 300万円
借金総額が3,000万円以上5,000万円未満 10分の1

例えば、連帯保証人が元々持つ借金が400万円だとすると、返済してなくてはいけない金額は100万円になりますが、保証人となっている住宅ローンが2,000万円残っていたとしたら、合計2,400万円の借金を持つことになり、最低弁済額は300万円になってしまうのです。

本来であれば借金を400万円から100万円に大幅に減額できたはずなのに、住宅ローンの保証人になっているばかりに100万円しか減額することができないのです。

連帯保証人となっている人が個人再生を検討する際は、このようなデメリットも考慮しておく必要があります。

保証債務は実際に支払う必要があるのか?

再生計画に保証債務も含めるとは言え、まだ実際に支払い請求のない債権を支払う必要があるのでしょうか。

これについては、主債務者が滞納もせずにしっかりと返済している間は弁済が留保されることになります。

ですので、主債務者と一緒に住宅ローンを返済していく必要はなく、専用の別口座を作り、そこに返済分を積み立てていくのが一般的になっています。

このようにして、実際にはまだ請求を受けていない保証債務であっても、再生計画に含めて減額をしておくことにより、主債務者が返済できなくなった時の返済負担が大きくならずに済むのです。

 

ローン返済中の主債務者は一括返済を求められることも

ローン返済中の主債務者は一括返済を求められることも

住宅ローンの連帯保証人が個人再生をすると、ローン返済中の主債務者には少なからずその影響が及びます。

住宅が差し押さえられるようなことはありませんが、連帯保証人が個人再生をすると、その時点で保証人として見なされなくなり、別の連帯保証人の追加を求められることになります。

もし連帯保証人を追加できない場合は、一括返済を求められるケースもありますが、現実には一括返済など容易にできるものではないので、返済を続けながら連帯保証人を探していくケースがほとんどです。

連帯保証人の詳細については、住宅ローンの契約書等に記載があると思いますが、もし連帯保証人が債務整理をしてお困りの場合は、弁護士などの専門家に相談されてみるとよいでしょう。

 

住宅ローン特則を利用する際の注意点

住宅ローン特則を利用する際の注意点

さて、ここまでは住宅ローンの連帯保証人について見てきましたが、実際に住宅ローン特則を利用する際に注意するべきポイントも確認しておきましょう。

 

保証会社が代位弁済をしている場合

住宅ローンを長期間滞納してしまい、今現在、保証会社が代位弁済をしている場合は注意が必要です。

代位弁済とは、ローンが支払えなくなった債務者に代わって、保証会社が銀行などに一括返済することを指します。

住宅ローンで代位弁済が発生すると、債務者は、保証会社が支払ってくれた残りのローンを一括返済しなくてはなりません。

当然ほとんどのケースで一括返済できずに住宅を失うことになるのですが、もしこのタイミングで住宅ローン特則を利用できれば、代位弁済はなかったことになるのです。

代位弁済が無効となれば保証会社に返済をする必要はありませんし、これまで通りに銀行等の借入れ先に返済をしていくことが可能になるのです。このことを「住宅ローンの巻き戻し」と言います。

ただし、住宅ローンの巻き戻しには期限があり、保証会社が代位弁済をしてから6ヶ月以内に住宅ローン特則を利用した個人再生を申し立てる必要があります。

期限を過ぎると住宅を守ることはできなくなるので、代位弁済が発生している人は、手遅れになる前に早急に弁護士に相談をしましょう。

 

住宅ローンの残高があまり残っていない場合

個人再生では、債務者が所有する資産の価値に応じて、減額される借金の額が少なくなってしまいます。

このことを個人再生における「清算価値保障の原則」と言い、債務者は全ての債権者に対して自己破産した場合に得られる金額以上の返済をしなくてはなりません。

そのため、もし住宅ローンの残高よりも住宅の査定額の方が大きい場合は、住宅も資産のひとつと判断されることになります。

この場合、住宅の資産価値に応じて減額される金額が少なくなってしまいますので、個人再生による恩恵をあまり受けられなくなってしまいます。

 

税金を滞納している場合

税金の滞納によって住宅を差し押さえられていると、住宅ローン特則を利用することができません。

この場合、まずは滞納している税金を納めて差し押さえを解消する必要がありますが、このようなケースで一括返済できる人はほとんどいません。

弁護士に協力を仰ぎ、滞納している税金の支払計画を提示することにより、債権者が分割払いに同意をしてくれれば住宅ローン特則を利用できるケースもあります。

 

自己破産は連帯保証人への迷惑を避けられない!今すぐ弁護士に相談を

自己破産は連帯保証人への迷惑を避けられない!今すぐ弁護士に相談を

ここまで見てきた通り、個人再生であれば住宅ローンの連帯保証人に迷惑をかけてしまうことはありません。

しかし、個人再生ができなくなるほど借金が膨れ上がってしまうと、残る選択肢は自己破産だけとなってしまい、自己破産では連帯保証人への影響を避けられません。

住宅ローンの主債務者が自己破産をすると、銀行等の金融機関はローンの残額を連帯保証人へ一括請求することになります。

連帯保証人に支払い能力がなければ、連帯保証人も財産の処分を求められてしまいます。連帯保証人がマイホームを持っていれば、その家を競売にかけられてしまう恐れがあります。

つまり、主債務者のみならず、連帯保証人も自己破産に追い込まれてしまう可能性があるのです。

自分のことを信頼して連帯保証人になってくれた人に、自分の借金の支払い請求がされてしまうのは大変心苦しいものです。

保証人に迷惑をかけたくない、自己破産だけは避けたいとお考えであるならば、今すぐにでも弁護士に相談をして借金問題の解決を図りましょう。

このままだと選択肢が自己破産しかなくなり、大切なマイホームを失い、連帯保証人の人生を壊してしまうことになり兼ねません。

 

競売の入札期日を過ぎると手遅れ

もし、あなたの家が競売にかけられていたとしても、今ならまだ間に合います。個人再生を申し立てると、競売手続きをストップさせることができます。

その後、住宅ローン特則を利用した個人再生が認可されれば、競売は中止となって自宅を取り戻すことができます。

ただし、競売の入札期日を過ぎてしまうと裁判所は競売の中止命令を出してくれませんので、自宅を取り戻すことは不可能になってしまいます。

競売が始まってしまった人も、入札期日前であればまだ間に合いますので、今すぐに弁護士に相談をして個人再生の手続きに入りましょう。

東京ロータス法律事務所は、日本全国から匿名による無料相談を受付けています。個人再生をお考えの方はお気軽に相談されてみてください。

 

個人再生と住宅ローンの連帯保証人についてのまとめ

個人再生と住宅ローンの連帯保証人についてのまとめ

今回は個人再生と住宅ローンの連帯保証人についてまとめてみました。

本記事のポイント
  • 個人再生は住宅ローンに連帯保証人がいてもマイホームを残せる
  • 個人再生が連帯保証人に知られてしまう可能性は低い
  • 連帯保証人が個人再生をすると主債務者に影響がある

住宅ローン特則は、住宅ローン自体を減額するものでありませんので、連帯保証人に迷惑をかけずに自宅を守ることができます。

競売手続きが開始された後であっても、自宅を取り戻すことは可能です。

自宅を手放さずに借金問題を解決したい方は、これ以上借金が膨れ上がってしまう前に個人再生を検討してみましょう。

個人再生の手続きは、裁判所を通して行われます。複雑で時間のかかる手続きを短期間で確実に進めるには専門家に依頼をすることが一番です。

一人でお悩みであれば、まずは一度無料相談されてみてはいかがでしょうか。きっと解決への糸口が見つかることでしょう。

 

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