それでも支払わずにいると、最悪の場合、訴えられて財産を差し押さえられてしまうこともあるんだよ。
NHK受信料は債務整理の対象にできる
借金の返済に追われて生活が苦しくなってくると、NHK受信料を滞納してしまうことがあります。
受信料を滞納してもNHKを視聴できなくなることはありませんが、6ヶ月以上滞納を続けると年利12.0%の遅延利息が発生してしまいます。
年に数万円程度の遅延利息でも、借金の返済に苦しむ人にとっては大きな負担となってしまい、支払いに困ってしまうこともあるでしょう。
そのような場合、貸金業者からの借金と同様、NHK受信料も債務整理によって減額やチャラにすることができるのです。
NHK受信料を債務整理する場合、どのような手続きが可能なのかを見ていきましょう。
任意整理で遅延利息を免除してもらう
まずは任意整理です。通常、貸金業者を相手に任意整理する場合、元本自体を減らせることはほとんどありません。
それと同様、NHK受信料を任意整理する場合も滞納している視聴料そのものを減額することは難しいと思われます。
任意整理で期待できる効果は、遅延利息分のカットと滞納金の分割払いです。
すでに裁判所から支払督促が届いている場合でも、弁護士に手続きを依頼すれば任意整理の交渉は可能です。
ただし、数ヶ月程度の滞納であればそこまで大きく減額されることはないので、弁護士費用を支払ってまで手続きをする必要はないかもしれません。
NHK受信料以外に借金があるのであれば、まずはそれらを任意整理で減額し、余裕が出たところで受信料を支払うといった方法も検討してみましょう。
個人再生で借金を5分の1にまで減らす
個人再生は、任意整理とは違って借金の元本自体を減らすことができます。
裁判所を介しての手続きにはなりますが、多くの人が今ある借金を5分の1にまで減額することに成功しています。
個人再生では住宅ローンだけは整理の対象から外せますが、それ以外はNHK受信料も含め、すべての借金を整理の対象にしなくてはいけません。
また、NHK受信料も含めた負債総額が100万円以下の場合は減額をしてもらえないので、そのようなケースでは任意整理の方が適していると言えます。
自己破産ならNHK受信料をチャラにできる
自己破産は、個人再生と同じく裁判所を介した手続きになり、今ある借金の返済義務をなくすことができます。
自己破産では、「非免責債権」と言われる公共性の高い税金や健康保険料などは免除の対象になりませんが、NHK受信料は非免責債権に該当しないため全額が免除されます。
借金が大きく膨れ上がってしまってしまい、今後安定した収入を見込めない場合は自己破産による解決が有効です。
債務整理をしてもNHK受信料は免除されない
NHK受信料には、「全額」または「半額」が免除となる受信料の免除制度が存在しますが、債務整理をすると受信料を免除してもらえるのでしょうか。
整理されるのは債務整理前の受信料だけ
NHK受信料は債務整理で減額や帳消しにすることができますが、その対象はあくまで債務整理前の受信料だけです。
債務整理をしても、それ以降の受信料が免除されることはありません。
また、債務整理をしたとしてもNHKとの契約は解消されませんし、テレビを所有している限りは受信料を支払わなくてはいけません。
NHK受信料が免除されるケースとは?
債務整理をしただけでは受信料の免除とはなりませんが、経済的な困窮や身体障害・精神障害を理由に免除や減額措置を受けることはできます。
全額免除
全額免除の基準は以下の通りです。※NHK公式サイトより引用
世帯構成員のどなたかが、障害者の手帳(身体障害者手帳、療育手帳(または判定書)、精神障害者保健福祉手帳)のいずれかをお持ちで、かつ、世帯全員が市町村民税非課税の場合
つまり、世帯の中にひとりでも身体障害、知的障害、精神障害を持つ人がいて、かつ、世帯全員が住民税非課税となっている場合に全額免除となります。
また、公的扶助(生活保護等)を受給している世帯や、親元を離れて暮らす奨学金を受給する学生なども全額免除の対象になります。
半額免除
半額免除の基準は以下の通りです。※NHK公式サイトより引用
次のいずれかにあてはまる方が、世帯主でかつ受信契約者の場合
*視覚・聴覚障害者(身体障害者手帳をお持ちの方)
*重度の障害者
・身体障害者手帳:1級または2級
・療育手帳(または判定書):「最重度」または「重度」に相当する記載
・精神障害者保健福祉手帳:1級
ご覧のように、世帯主が障害を持つ場合に半額免除の対象になります。全額免除のように住民税非課税の条件は含まれていません。
障害の度合いによって免除されるかどうかが決まりますので、ご不明な点はNHKに問い合わせてみるとよいでしょう。
NHK受信料のお問い合わせ先
TEL:0570-077-077 受付時間:午前9時~午後8時(土・日・祝日も受付)
NHK受信料を滞納し続けるとどうなるのか
NHK受信料を滞納し続けた場合、時効によって支払いを免れることはできるのでしょうか。滞納を続けるリスクと共に確認していきましょう。
勝手に時効が成立することはない
NHK受信料にも時効が存在します。2014年の最高裁判決においてNHK受信料の時効は5年とされています。
つまり、5年以上滞納を続けていれば、時効によって支払うべき受信料を減らすことができるということになりますが、逆に言うと、滞納期間が5年に満たなければ受信料を減らすことはできません。
また、5年以上滞納を続けている場合でも、5年が経過した時点で勝手に時効が成立するわけではありません。
時効を成立させるためには、NHKに対して「5年以上前の受信料を支払うつもりはありません」という意思表示をしなければなりません。この意思表示のことを「時効の援用」と言います。
時効の援用をしない限り、NHKは5年以上前の受信料であっても支払い請求をしてきますので注意しましょう。
時効の援用には内容証明郵便を利用するのが一般的ですが、確実に手続きをしたい方は弁護士などに相談するとよいでしょう。
滞納を続けると訴えられることもある
支払請求を無視して受信料の滞納を続けていると、裁判所に支払督促を起こされる可能性があります。
支払督促とは、申立人(NHK)の主張のみに基づき、簡易裁判所から債務者宛に金銭の支払を命じる制度のことです。
裁判所から督促状を受け取ってから2週間以内に異議申立をしなければ、NHK側の主張が全面的に認められることになり、給与などの財産が差し押さえられてしまいます。
また、この場合では、5年以上前の受信料についても支払いを命じられてしまいますので、支払督促を受け取ったら早急に対応をする必要があります。
NHK受信料を支払わずに済む方法は?
借金問題に苦しめられていると、NHK受信料の支払いですら大きな負担になってしまうものです。今後、受信料を支払っていくのが難しいという人はどうしたらよいのでしょうか。
受信契約を結ばない
受信料を支払わずに済む一番の得策は、NHKと受信契約を結ばないことです。
受信料の支払い義務は、あくまでNHKと視聴者の受信契約の締結によって発生するものであって、テレビやワンセグ機能付きのスマホなどを所有しているだけでは発生しません。
もちろん、テレビがあってNHKを視聴できるのであれば受信契約を結ばなくてはいけませんが、本当にテレビを所有していないのであれば契約をする必要はありません。
しつこい集金人の対処法は?
誰しもが一度はNHKの「集金人」と呼ばれる人の訪問を経験したことがあるのではないでしょうか。
集金人とは、NHKから委託をされた専門スタッフのことで、NHKの受信契約の取り付けや滞納金の督促などを主な業務にしています。
昼夜を問わない訪問やなかなか帰ってくれないといった理由から、応対に出るのを億劫に感じる人もいるかと思います。
集金人の訪問を迷惑に感じるのあれば居留守を使っても何の問題もありません。インターフォンを鳴らされたら応答しなくてはいけないという法律など存在しません。
不意に出くわしてしまった場合は、「テレビを所有していません。テレビを買ったらこちらからNHKに連絡をするので今後は訪問しないでください。」とはっきりお伝えしましょう。
それでもしつこく訪問を続けてきたり、その場から立ち去ってくれない時は、警察または以下の「NHKから国民を守る党」などに相談をしてみるとよいでしょう。
テレビを処分して解約する
いま現在すでに受信契約を結んでいる場合、テレビを処分することによって契約を解消することができます。
一番危険なのは受信契約を結んだまま支払を滞納してしまうことです。遅延利息によって滞納金は膨れ上がっていきますし、最悪の場合、財産を差し押さえられてしまう可能性もあります。
どうしても受信料の支払いが厳しいのであれば、いったんテレビなどの受信機器を処分してNHKとの受信契約を解消してしまうのもひとつの方法です。
そして、お金に余裕が出てきたら改めてテレビを買い直してもよいのではないでしょうか。
受信契約解消の注意点
契約解除の際、NHKからテレビを処分したことを証明する書類を求められることがあります。
ここでいう書類とは、テレビを売却した際の領収書や処分した際のリサイクルシートのことを指します。これからテレビを処分する人は、これらを紛失しないようにお気をつけください。
受信契約を解除するには、NHKから申請書類を送付してもらう必要があります。まずは下記番号までお問い合わせをしてみてください。
受信契約解除のお問い合わせ先
TEL:0570-077-077 受付時間:午前9時~午後8時(土・日・祝日も受付)
意外と知られていない「家族割引」
受信料の支払いがなくなることはありませんが、家族割引が適用されれば受信料を安くすることはできます。
家族割引とは、親元を離れて暮らす学生や、単身赴任中のサラリーマンなど、実家と生計を共にしているのあれば受信料が半額になる制度です。
自宅に訪問をしてくる集金人の多くは、このような制度があることをいちいち教えてくれたりはしません。
よって、見逃している方も多いかと思いますが、後からではこの制度の割引分を取り戻すことはできないので、お心当たりの方は手続きを急いだほうがよいでしょう。
NHK受信料が支払えない場合、まずは借金の減額を!
NHK受信料の支払いに困っている場合、その他の支払いにも行き詰っていることが多いと思います。
受信料を滞納しても生活に大きな支障はありませんが、家賃、光熱費、食費などが足りなくなってしまうと生活に大きな影響を及ぼしてしまいます。
借金の返済に追われて生活が苦しい時、最も重要なことは借金を減額して毎月の返済負担を軽くすることです。
目先の支払いのことだけで頭がいっぱいになってしまうと、借金返済のために新たな借入れを繰り返すようになり、利息によって借金が雪だるま式に増えていってしまいます。
多重債務者となって借金地獄に陥ってしまう前に、まずは今ある借金を減らすことを最優先で考えましょう。
冒頭でご紹介した債務整理であれば、NHK受信料も整理の対象に含めたうえで借金を大幅に減額できます。
借金問題はどこかで対策を講じなければいつまで経っても解決することはありません。現時点で多重債務者となってしまっている方でも、今ならまだ自己破産以外での解決が望めるかもしれません。
手遅れになってしまう前に、まずは一度専門家に相談をして、自分に適した解決方法を提案してもらうことが大切です。
よくある質問
NHK受信料についてよくある質問をまとめました。
受信料を滞納した状態でも解約できるの?
受信料を滞納している状態でも解約は可能です。
ただし、先ほども触れた通り、解約をするにはテレビなどの受信機器を処分する必要がありますし、解約したからと言って滞納金の支払い義務がなくなることはありません。
引越しをしたら滞納金は支払わなくてもいいの?
引越しをしても滞納金の支払い義務がなくなることはありません。
また、引越しをしたからと言ってNHKとの契約が自動的に解約されることもありませんので、日を追うごとに滞納金はどんどん増えていってしまいます。
もしNHKに申告せずに引越しをしたとしても、NHKは契約者の追跡調査のために住民票を使用することを認められていますので、簡単に移転先を知られてしまい、集金人の訪問を受けることになるでしょう。
NHK受信料を滞納するとブラックリストに載るの?
受信料の支払いにクレジットカードを利用している場合、引き落とし日に残高が不足していると「支払い遅延」という情報が信用情報に登録されてしまいます。
口座振替やコンビニ支払いを利用している場合は、多少の遅延があっても信用情報に傷がついてしまう心配はないでしょう。
NHK受信料と債務整理についてのまとめ
今回は債務整理によるNHK受信料の減額方法などについてまとめてみました。
- 本記事のポイント
-
- NHK受信料は債務整理の対象にできる
- 債務整理をしてもNHK受信料は免除されない
- NHK受信料が支払えない場合、最優先すべきは借金の減額
記事中でもお伝えした通り、NHK受信料は一定の条件を満たさない限り免除されることはありません。
だからと言って、支払わずに滞納を続けていると、遅延利息によって滞納金がどんどん増えていってしまいます。
他の借金の返済などで受信料を支払う余裕がないのであれば、早期に弁護士に相談をして債務整理をするべきです。
このまま目先の返済を続けていても、借金の元本はなかなか減っていきません。債務整理によって今ある借金を大幅に減らすことで生活再建への道筋が見えてくるはずです。
たくさんの人が無料減額診断で解決への第一歩を踏み出しています
借金問題に毎日悩まされ、なんとか解決したいけど誰にも相談できない…そのような人には、弁護士による借金の無料減額診断をお勧めしています。
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そしてほとんどの方が声をそろえて言うのが、「こんなに簡単に解決できるのなら、もっと早く相談しておけば良かった」という事です。
借金問題は悩んでいる間にも利息や延滞金が増え続け、どんどん状況が深刻化していきます。
まずは匿名で自分の状況を診断してもらい、1日も早く解決へ向けた第一歩を踏み出す事をお勧めします。